株式会社嵯峨野

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用語解説Glossary



あ行

医学研究(Medical research)

大きく分けて基礎研究と臨床研究(疫学研究)に分かれる。 基礎研究では、分子生物学や生化学、化学、工学などの研究方法を導入して遺伝子・免疫・生化学から生理・解剖・衛生などあらゆる角度で疾病の原因、治療方法を科学的に研究すること

一変量/単変量解析(Univariate analysis)

1つの項目について1つずつ詳しく検討するときに用います。データの検討を始めるにあたっては、変数間の関係を調べる前に、各変数1つずつについて理解しておくことが重要です。一変量のグラフとしてはヒストグラム・棒グラフなどがあります

インフォームド・コンセント(IC:Informed Consent)

治験・臨床研究等を希望する患者が、治験担当医師又はCRC(治験コーディネーター)から、治験・臨床研究の内容(目的・方法・メリット・リスク等)が記載された同意説明文書の詳しい説明を受け、十分に理解し納得した上で自由意思によって参加に同意(文書同意)すること

後向き研究(Retrospective study)

過去のデータを収集する研究。
その代表例がケース・コントロール研究(症例対照研究)で、現在の「結果(疾病の有無など)」から過去の「要因(食事や生活習慣など)」に遡ってデータを収集し、解析を行う。

エビデンスレベル(Level of evidence)

研究の吟味において重視される研究方法をわかりやすいように類型化して信頼度の目安を作ったのが、エビデンスレベル(証拠のレベル)と呼ばれるものである。一般にランダム化比較試験は、エビデンスレベルが高いとされる。そのランダム化比較試験を複数集めて検討した系統的レビューが最もレベルが高く、そのような科学的データによる根拠に基づかない専門家の意見は低いとされる

Iシステマティック・レビュー/RCTのメタアナリシス
II1つ以上のランダム化比較試験による
III非ランダム化比較試験による
IVa分析疫学的研究(コホート研究)
IVb分析疫学的研究(症例対照研究、横断研究)
V記述研究(症例報告やケース・シリーズ)
VI患者データに基づかない、専門委員会や専門家個人の意見
横断研究(Cross-sectional study)

対象者を1回だけ観察する研究。ある一時点において観察されたデータをもとに解析を行う研究が最も単純である

オプトイン(Opt-in)

ユーザーが情報を受け取る際や自らに関する情報を利用される際などに、許諾(パーミッション)の意思を示す行為を「オプトイン」という

オプトアウト(Opt-out)

許諾しない意思を示す行為を「オプトアウト」という。広告メールの送信や、インターネット上での個人に関する情報の取得や利用などを、ユーザーの意思に基づいて行う仕組みや方式を指す語として用いられる

か行

監査(Audit)

治験が治験実施計画書、標準業務手順書、薬機法(旧薬事法)に規定する基準並びに本基準に従って実施され、データが記録、解析され、正確に報告されているか否かを確定するため、治験依頼者によって指名された監査担当者が治験に関わる業務及び文書を体系的かつ独立に検証すること。品質保証の一環です

観察研究(Observational Study)

患者に血液・尿などのサンプルや診療記録(カルテや検査結果など)のデータを提供してもらい、アンケートや定期的調査への協力を依頼することによって、病気の予防・診断・治療に関する情報を集め、これを詳しく調べて、医療の改善につながる新たな医学知識を発見するための研究。
観察研究は、時間の方向によって、前向き研究と後ろ向き研究に分けることができる。さらに、対象者に対する観察回数をもとに、横断研究と縦断研究に分類できる

クエリ(Query)

データベースからデータを抽出したり操作したりといった処理を行うための命令のことである。「問合せ」と訳されることもある

クリニカルクエスチョン(CQ:clinical question)

臨床的疑問のことであり,病態・評価・治療・リスク・予防に関するものなど様々な種類があります

原資料(Source Documents)

カルテやX線(レントゲン)フィルムなど、患者の治療経過を判断するのに、もととなる文書(データ)のこと。症例報告書を作成する際などに使用する

コホート研究(Observational Study)

患者に血液・尿などのサンプルや診療記録(カルテや検査結果など)のデータを提供してもらい、アンケートや定期的調査への協力を依頼することによって、病気の予防・診断・治療に関する情報を集め、これを詳しく調べて、医療の改善につながる新たな医学知識を発見するための研究。
観察研究は、時間の方向によって、前向き研究と後ろ向き研究に分けることができる。さらに、対象者に対する観察回数をもとに、横断研究と縦断研究に分類できる

さ行

システマティック・レビュー(systematic review)

クリニカルクエスチョンに対して,研究を網羅的に調査し,同質の研究をまとめ, バイアスを評価しながら分析・統合を行うことである

症例報告書(CRF:Case Report Form)

各被験者に関して、治験依頼者に報告することがプロトコルにおいて規定されている全ての情報を記録するための、印刷されたまたは光学的もしくは電子的な記録様式およびこれらに記録されたもの

縦断研究(Longitudinal study)

対象者を2回以上繰り返し観察する研究。調査したいことを違う時点で複数回データ収集するので、研究に時間の流れが加わるのが特徴

重篤な有害事象(SAE:Serious Adverse Event)

有害事象のうち、死亡または死亡につながるおそれのあるもの、治療のため入院または入 院期間の延長が必要なもの、永続的または重大な障害・機能不全に陥るもの、先天異常を 来すもの、またはその他の重大な医学的事象をいう

た行

大学病院医療情報ネットワーク(UMIN:University Hospital Medical Information Network)

国立大学附属病院長会議のもとで運用されているネットワークサービスで、大学病院業務(診療・研究・教育・研究)及び医学・生物学研究者の研究教育活動の支援を目的としてサービスを行っております。世界中からの臨床試験登録を集める国際的なサイトとして認知されています

多施設共同治験審査委員会(C-IRB:Central Institutional Review Board)

小規模医療機関が治験参加推進を図る目的で、単独医療機関ではなく複数の医療機関によるIRB開設/構成されることを指す。医療機関から治験業務を委託契約しているSMOがまとめて開催されるケースや、地域によっては医師会、もしくは地域基幹病院が開設している事例がある

縦断研究(Longitudinal study)

対象者を2回以上繰り返し観察する研究。調査したいことを違う時点で複数回データ収集するので、研究に時間の流れが加わるのが特徴

多変量解析(Multivariate analysis)

複数の変数に関するデータをもとに、これらの変数間の相互関連を分析する統計的技法の総称です。データが集まった後、いきなり多変量解析にはかけるのではなく、前段階としてまずは「一変量解析」、「二変量解析」を充分に行うことが重要です

治験(Clinical trial)

新しい医薬品を開発する場合は、その研究の最終段階において国の定めたルールに基づき、実際に「人」を対象とした有効性・安全性を評価しなければならない。 そのためには臨床試験を行う必要がある。この臨床試験のうち、主に病院で治療中の患者さんを対象に実施する試験を治験という

治験コーディネーター(CRC:Clinical Research Coordinator)

治験実施施設(病院・クリニック等)で、担当医師の指示のもと治験(臨床試験)をスピーディー且つ円滑に行う為にコーディネートする職種のこと。治験に参加する被験者に治験の説明を行い治験参加の同意を取得する、インフォームドコンセントが重要な業務の一つとなる。治験コーディネーターとしての専門資格はないが、看護師・薬剤師・臨床検査技師などの資格者を求められる事が多い

治験実施計画書/プロトコル(protocol)

治験の目的・デザイン・方法・統計学的な考察および組織について記述した実施計画書。治験実施者(治験を実施する病院・クリニック等)及び治験依頼者(製薬メーカー等)が遵守しなければならないその治験に関する要件事項が全て網羅されている

治験(試験)事務局(Site Management Associate)

治験(試験)事務局業務 治験(試験)実施医療機関において、治験(試験)を円滑に行えるよう事務的支援をする業務です。 具体的には、医療機関における治験(試験)実施体制・組織の整備や申請書類の作成・管理などを行います

治験審査委員会(IRB:Institutional Review Board)

医学・歯学・薬学の専門家及びそれ以外の者によって構成される、医療機関の長・治験責任医師・治験依頼者から独立した委員会のこと。当委員会の責務は、治験実施計画書や被験者から文書によりインフォームドコンセントを得るのに使用される方法、資料等を審査すること。また継続審査を行うことによって、被験者の人権・安全・福祉の保護を確保する

治験責任医師(PI:Principal Investigator)

治験責任医師とは 病院内で治験全体を監督する役目を担う責任者です。 治験を担当する医師やスタッフを指導します。 患者さんの病気に関する専門家としての豊富な臨床経験、治験を適切に実施できる十分な治験の知識があります

直接閲覧(SDV:Source Data Verification)

治験で提供されたデータが正しいことをチェックするために、モニターや治験審査委員会の委員、厚生労働省の担当者が病院に保存されているカルテなどの治験関連記録類(原資料)を閲覧すること

データマネジメント(DM:Data Management)

治験実施施設(病院・クリニック等)で行われた治験によって確認された結果(症例報告書(CRF)のデータ)の統計解析を行うための準備をすること、もしくはその職種。データに問題があれば、臨床開発モニター(CRA)に再調査させ症例データを管理すること

統計解析(SAS:Statistical analysis)

生物統計学の手法を用いて治験結果を分析し、治験薬が効果があるのか、既存の市販薬よりも効果があるのかを、統計学的に証明(説明)すること、もしくはその職種。データマネジメントによって電子化され、きれいに整合化された症例データに対して、統計解析の手法を駆使して解析する

同意説明文書(Informed Consent Form)

インフォームド・コンセントの過程で用いられる治験の目的、内容等を記した文書一式のこと(同意文書に主たる説明が記述されています)

特定臨床研究(Specific clinical trials)

臨床研究(疫学研究)のうち以下の2つのいずれかに該当する研究を示す

1製薬企業から資金の提供を受けて行われる臨床研究

臨床研究では、研究の実施に必要となる資金を、製薬企業から提供を受けて実施する場合がある。この場合には、病院と製薬企業が契約を結び、提供を受ける研究費の金額や使用目的を明確にしたうえで、透明性を確保して行われる

2国内で“未承認”あるいは“適応外”の、医薬品等※1を用いて行われる臨床研究

新しい薬・機器・再生医療等製品は、国の承認を受けることで適応疾患に対して使うことができるようになる。まだ日本で承認されていない薬を“未承認薬”という。また、ある疾患に対しては承認されているものの別の疾患への効能は承認されていない薬を“適応外薬”という。未承認あるいは適応外の医薬品等を用いて、新しい治療法を確立するための臨床研究が行われる※1 医薬品等・・・医薬品、医療機器、再生医療等製品が含まれる
★ 純粋な観察研究を除く医薬品等の臨床研究は、臨床研究法の対象となる場合がある

な行

二変量解析(Bivariate analysis)

2つの項目を対象とするものです。この二変量解析のデータを平面上にプロットしたものを散布図と言います。2つの項目を図にプロットしてみると、その項目間の関係がよく分かります

認定臨床研究審査委員会(CRB :Certified Review Board)

臨床試験に関する専門的な知識を持つ委員で構成され、公正な審査ができる体制を整えています。臨床研究法※に基づいて特定臨床研究の実施計画を審査するとともに、研究者に義務付けられる副作用報告を受け、必要に応じて原因究明や再発防止のための意見を述べます

は行

ヒストグラム(histogram)

データの散らばりを視覚化できるグラフで、度数分布図や柱状グラフとも呼ばれます

標準業務手順書(SOP:Standard Operating Procedures)

治験業務を誰が実施しても適切に遂行できるように基本的な業務手順をまとめたマニュアルのこと

品質管理(QC:Quality Control)

治験はGCPという法律を遵守した中で行わなくてはならない。それを保証する為に行われる計画的且つ体系的な活動がQAになるが、その中で治験の質を検証する為に行われる品質管理活動がQCになる。実際に行う予定の作業がGCPに抵触していないかを確認する職種になるため、GCPを熟知していないと対応できない

品質保証(QA:Quality Assurance)

治験はGCPという法律を遵守した中で行わなくてはならない。それを保証する為に行われる計画的且つ体系的な全活動を指す。実際に行う予定の作業がGCPに抵触していないかを確認する職種になるので、GCPを熟知していないと対応できない。※QC活動はQAに含まれています

副作用(ADR:Adverse Drug Reaction)

投与量にかかわらず、投与された治験薬に対するあらゆる有害で意図しない反応。有害事 象のうち当該治験薬との因果関係を否定できないもの

分担医師(Subinvestigator)

実施医療機関において治験を実施するチームに参加する個々の医師又は歯科医師。 治験に係わる重要な業務又は決定を行います。 治験責任医師の業務を分担して実施する医師のことです

ヘルシンキ宣言(DoH:Declaration of Helsinki)

ヒトを対象とする医学研究の倫理的原則です。
世界医師会が、64年に宣言として採択しました。内容は周到な計画、自由意思による同意、患者の利益やプライバシーの保護など、臨床研究やヒトの組織を用いる研究で医師が守るべき倫理規定を定めたものとなっています。その後、インフォームド・コンセントを軸とするバイオエシックスが確立されてから、世界医師会はインフォームド・コンセントの詳細な指針を盛り込み、「ヘルシンキ宣言1975年東京修正」を採択しました。81年に「患者の権利に関するリスボン宣言」が採択され、83年には、ベニスで「未成年者からもインフォームド・コンセントを得ることが必要である」が追加されました。89年に香港で一部修正され、現在「ヘルシンキ宣言2013年10月ブラジル修正」が最新版です

ま行

前向き研究(Prospective study)

現在から未来に向かってデータを収集する研究。
その代表例が「コホート研究」です。ある病気の原因や要因と疑われる状況にいる人といない人を追跡し、結果的にその病気になったかどうかを調査する※ コホート研究にも後ろ向き研究はありますが、ほとんどは前向き研究であるため、一般的には「コホート研究=前向きコホート研究」を指す。

メタアナリシス(meta-analysis)

ある程度似ている研究の複数の結果を統合し、ある要因が特定の疾患と関係するかを解析する統計手法です。治療法の比較のために、複数の臨床試験結果をまとめる場合にも用いられます。ひとつひとつの研究の結果が矛盾している場合でも、たくさんの研究結果を解析することで、より総合的な評価をすることができます

メディカルライター(Medical Writer)

治験薬概要書の作成や申請概要書の作成、治験総括報告書/臨床論文等の作成等の業務を担当する者を言う。治験総括報告書/臨床論文は英文・和文があるため、英語力も求められる職種のこと

モニタリング(Monitoring)

治験依頼者から任命されたモニターが治験の進行状況を確認し、治験が治験実施計画書、標準業務手順書、その他関連する薬機法(旧薬事法)に規定する基準ならびにGCPに従って適正に実施、記録および報告されていることを訪問や電話等で行なう情報収集業務全般を指す。品質管理の一部です

モニタリング報告書(Monitoring Report)

治験依頼者により指名されたモニターが、治験依頼者のSOPにしたがって、医療機関及び治験に関わるその他の施設を訪問したごとに治験依頼者に提出する報告書のこと

や行

有害事象(AE:Adverse Event)

治験薬を投与された被験者に生じたあらゆる好ましくない医療上の出来事(当該治験薬と の因果関係の有無は問わない)

ら行

臨床研究(疫学研究)(Clinical trials / Epidemiology research)

人を対象として行われる「医学系研究」のこと。 医学系研究は、生命科学研究や基礎医学研究から、治験までの広範囲に及ぶ。 病気の予防・診断・治療方法の改善や病気の原因の解明、患者様の生活の質の向上を目的として行われること
臨床研究は大きく2つに分けることができる

1臨床試験(介入研究):患者が直接研究に参加する研究 2観察研究:検査データや血液サンプルの提供などを依頼する研究
臨床研究法(Clinical Trials Act)

医薬品・医療機器等の開発候補物質が実用化可能かといった開発の探索的研究手段として、重要なものである。また、同種同効薬同士の有効性に関する比較研究や、手術と抗がん剤の組み合わせとの関係で最も効果的な医薬品投与時期の研究など、様々な診療ガイドライン等の検討を行う場面においても臨床研究が実施されている。
今般、医薬品等を人に対して用いることにより、その医薬品等の有効性・安全性を明らかにする臨床研究を法律の対象とすることとし、臨床研究の対象者をはじめとする国民の臨床研究に対する信頼の確保を図ることを通じてその実施を推進し、もって保健衛生の向上に寄与することを目的として、臨床研究の実施の手続、認定臨床研究審査委員会による審査意見業務の適切な実施のための措置、臨床研究に関する資金等の提供に関する情報の公表の制度等を定める「臨床研究法」が平成29年4月14日に公布され、平成30年4月1日に施行された

臨床試験(介入研究)(Clinical Study/Interventional Study)

臨床研究のうち薬剤、治療法、診断法、予防法などの安全性と有効性を評価することを目的としたものをいう

倫理審査委員会(REC:Research Ethics Committee)

IRBとほぼ同義に使われることが多い。しかし、IRBは主として医薬品や医療機器の承認に関する審査を行い、倫理審査委員会はそれ以外の臨床研究や疫学研究の審査を行う、別組織となっている施設もある

英数行

GCP(Good Clinical Practice)

GCPは国際的に合意された臨床試験の実施に関する基準をもとにして、日本の環境を踏まえて日本で正しく治験を実施できるように厚生労働省により省令(法律を補う規則)として定められています。
GCPでは、治験を実施する医療機関、人の役割や業務を詳細に決めており、治験を実施する場合は、それを守らなければなりません